かつて機関車が走っていた「JR福知山線廃線敷」は、ノルタルジーなハイキングスポット。これまで近場にありながら、なかなか行く機会に恵まれませんでした。
9年前ハイキングの計画直後に妊娠が発覚し泣く泣くキャンセル。その後は怖がりの娘を連れて行く気にはなれず・・。そんな娘も今年もう8歳、本人も行ってみたい!と言ってくれたので、11月後半に家族でJR福知山線廃線敷へ、紅葉シーズンのハイキングに行ってきました。
目次
JR福知山線廃線敷とは?
武庫川の渓谷沿い約4.7kmのJR福知山線廃線敷では、かつて機関車が走っていたそう。長らく立ち入り禁止だったものの、2016年に自己責任を原則として一般開放されています。
6つのトンネルや橋など当時の鉄道遺構がそのまま残された、知る人ぞ知る穴場的スポット。ノスタルジーな雰囲気を楽しめるとあって、特に桜や紅葉シーズンには多くの観光客が訪れています。
武田尾駅~廃線敷出入口(武田尾側)まで
JR福知山線廃線敷ハイキングは「生瀬・西宮名塩→武田尾ルート」または「武田尾→生瀬・西宮名塩ルート」のいずれか。今回私は「武田尾→生瀬ルート」で訪れました。
こちらが武田尾駅を出てすぐにあった看板。JR福知山線廃線敷へは、左に向かって進みます。
朝早く山奥を訪れたため、駅に着いた途端ひんやりした空気。娘が「寒い!」とブルブル震えてました(私のネックウォーマーで乗り切りました)。ハイキングでたくさん歩けば体も温まりますが、特に早朝は気温が低いこともあるので、調節しやすい服装がおすすめです。
武田尾駅を振り返ってみると、電車がゴーッ!という音を立てながら、トンネルに入っていく姿が見えました。川を右側に見ながら進んでいき、途中で「武田尾温泉」の看板がありますが、今回この橋は渡りません。
道なりにまっすぐ進むと、右側に畑熊商店(写真右上)、小さな神社(写真左)があります。廃線敷にはトイレが無いので、右側にあるトイレ(写真右下)に立ち寄っておきましょう。
トイレ右奥の「桜の園入口」が廃線敷の出入口(武田尾側)。この先がJR福知山線廃線敷のハイキングコースです。
枕木が残る廃線敷はノスタルジー
ハイキングコースでは、枕木が残る廃線敷がずっと繋がっています。
かつてここを機関車が走っていたなんて・・と、ノスタルジーな気分に。
当時の機関車からも、この自然豊かな山の緑と武庫川渓谷の美しい景色が眺められたのでしょうか。枕木はずっと続いているので、転ばないように歩きやすい靴がおすすめです。
冒険気分を味わえる6つのトンネル
JR福知山線廃線敷のハイキングコースには、冒険気分を味わえる6つのトンネルがあります。
それぞれ長さが違いますが、最長413m! どのトンネルにも街灯が無く、足元が見えないほど真っ暗なので、懐中電灯は必須アイテムです。またトンネル内はひんやりした空気で、天井から水滴が落ちてくることも! トンネル内の足元にも枕木が残っているので、一度娘がつまずいて転んでしまいました。
ちなみに各トンネル出入り口にはトンネル名の看板などは無いので、今どのトンネルをくぐっているか?を把握するために廃線敷マップの持参がおすすめ。
私はハイキングコースのルート順に、以下トンネルを通過しました。
長尾山第3トンネル
長さ91mの「長尾さん第3トンネル」。初トンネルにドキドキでしたが、一番短いので入ってすぐ出口が見えました。
長尾山第2トンネル
長さ147mの「長尾山第2トンネル」。ちょっと秘境っぽい印象の入口です。看板「トンネル内照明なし」がボコボコ・・どうしてこうなったのか? 懐中電灯で足元を照らすと枕木が見えました。
長尾山第1トンネル
長さ306mの「長尾山第1トンネル」。長ーいトンネルを歩いた奥には「第2武庫川橋梁」が見えます。
溝滝尾トンネル
長さ149mの「溝滝尾トンネル」。「第2武庫川橋梁」を渡った先にトンネル入口があります。ハイキングコース内あらゆるところに「注意:この先の落石等による事故の責任は持ちません」の看板がありました。
トンネル内では、懐中電灯で先を照らしながら進みます。足元の枕木には何かの文字を発見! トンネル出口付近で、逆ルートからハイキング中の方たちとすれ違いました。
北山第2トンネル
長さ413mと最長コースの「北山第2トンネル」。足元を懐中電灯で照らしてみるとジャリが敷いてありました。トンネルによって違うのかな?
北山第1トンネル
長さ319mの「北山第1トンネル」。入口でちょっと休憩できるようベンチがありました。トンネル出口付近でちょっと素敵な写真が撮れました(知らない人達です)
トンネル内は、水で濡れている場所も。天井から水滴が落ちてきたのも、ここだった気がします。懐中電灯で天井を照らしてみると、ちょっと怖い模様?が撮れた~(娘がおばけ!と騒いでました。笑)
第2武庫川橋梁
第2武庫川橋梁は、長尾山第1トンネル~溝滝尾トンネルの間にある赤い橋です。
「長尾山第1トンネル」を出て、すぐ目の前にどどーんと現れるのは迫力。
橋の下には、自然豊かな渓谷が広がっていました。橋を渡った先にはすぐ「溝滝尾トンネル」の入口があります。
そのほかの素敵な景色
JR福知山線廃線敷ハイキングコースでは、ほかにも素敵な景色をたくさん見ることができました。
親水広場周辺
親水広場は、長尾山第2トンネル~長尾山第1トンネル間にあります。
この辺りでは、紅葉が綺麗でした~。
写真左の穴は退避スペースでしょうか? 写真右のような顔出しパネルっぽいオブジェもありました。手作り感満載。
急流スポット周辺
溝滝尾トンネル~北山第2トンネル間の急流スポット周辺では、昔の名残ある風景?が見られました。
写真左は枕木かな?写真右上はどこで使ってた石?写真右下は何だろう?・・・おそらく昔の名残ある風景だと思うのですが、詳しい案内図等を設置していただけると、もっと面白いスポットになるのになぁと。
写真左のミニトンネルもありました。このあたりは、川を左側に眺めながら進みます。
紅葉が川面に映って綺麗
北山第2トンネル~北山第1トンネルの間では、山の紅葉が川面に映し出されて綺麗でした。
廃線敷出入口(生瀬側)~生瀬駅まで
北山第一トンネルを通過したあとは、廃線敷出入口(生瀬側)に向かいます。
写真左の景色をまっすぐと進むと、写真右上の廃線敷出入口(生瀬側)に辿り着きます。ここは「生瀬・西宮名塩→武田尾ルート」の入口にもなっていて、写真右下の看板がありました。
廃線敷出入口(生瀬側)を過ぎると、写真左の仮設トイレがあります。廃線敷ハイキングコース内には、本当にトイレが1つも無いので注意が必要ですね~。
ここから国道沿いの歩道を歩いて生瀬駅に向かいますが、意外と距離がありました(確か25分くらいかかった)。ハイキングシーズンは他の観光客の方なども歩いているので何となくルートが分かりますし、一応たまに標識も見かけたのですが、地図アプリ等の使用が安心かもしれません。
廃線敷ハイキングの注意事項
JR福知山線廃線敷ハイキングでは、いくつか注意事項があります。
- 廃線敷コース内にはトイレが無いため、各駅または生瀬側・武田尾側入口のトイレに立ち寄っておきましょう。
- トンネルの中には照明が無く、足元が見えないほど真っ暗なので、懐中電灯が必須です。
- 基本的に平坦なコースですが、枕木がずっと続いているので、転ばないよう歩きやすい靴で行きましょう。
- 廃線敷コース内に時々小さなベンチはありますが、途中で食事をするならレジャーマット持参がおすすめです。
- 山奥にあるため(特に早朝は)気温が低いかも?調節しやすい服装がおすすめです。
最後に・・・
今回は朝8時半~武田尾駅を出発。朝早くから訪れたため、前半はほとんど人とすれ違うことも無く、後半は逆ルートから入ってきた人とすれ違う感じでした。武田尾駅~生瀬駅までは2時間45分ほどの距離。帰りに少し寄り道して、昼前に帰宅。18,000歩/11kmも歩きました。
紅葉はそこそこでしたが、枕木が残るノスタルジーな廃線跡を歩きながら、懐中電灯片手に6つのトンネルで冒険気分を味わったり、立派な第2武庫川橋梁を眺めたり。近くにこんなに面白いスポットがあったとは!と驚きました。
今回は「武田尾→生瀬ルート」でしたが、次回は逆ルートでも訪れてみたいな~。きっとまた違った景色が見れるはず。